
城山三郎の「百戦百勝」を読みました。
山種証券の創業者をモデルにした小説のようですが痛快です。男の端くれとして憧れるような人物とその成功が描かれているのですが、読み終えて彼を更なる高みに引き上げたのは奥様の冬子であったことに気付きます。貧しい生まれの主人公が一念発起して資産家の令嬢を娶り、奥様の途方も無い望みに応えることを繰り返す中に本人が夢見た以上の大人物になるという結末です。主人公は結婚とは良い意味での喧嘩の始まりで、お互いに知らない全く新しい世界が二つ、長い生涯をぶつかり合い、磨き合って行くものだと言います。成る程です。噛みしめてみたいと思います。家内と結婚して四半世紀。全て分り合えることも無く、従順でない等腹を立てたこともしばしばでしたが、そもそも考え方が間違っていたのかもしれません。考えてみれば私も家内に随分と?引き上げて貰ったようにも思えます。遅ればせながら感謝でしょうか。しらふではちょっと言えませんが...